【Buescher Aristocrat "Big B"／ビンテージアルトサックス】 エリントン楽団やジョニー・ホッジスが愛用していたことで知られる「Buescher Aristocrat Big B」、約80年前のモデルです。1945年製として売られていた記憶があります。 15年ほど前に購入し、しばらくはメイン機として使用していました。その後も時々吹いており、定期的にメンテナンスに出していたため、現在も問題なく演奏可能です。 長年実際に使用していたこと、また製造からの年月を考慮すると、部分的に緑青やサビ臭さなどは見られますが、動作に影響するような大きなダメージや事故歴はありません。塗装は剥げてしまっている部分もありますが、残っている部分はビンテージらしい味わいのある飴色に見えます。 構造面では、ローのトーンホールの向きやテーブルキィの動き方など、現代の楽器とは異なる特徴があり、最初はクセを感じるかもしれません。ただ、全体的なキー配置は比較的素直で、他のビンテージサックスに比べると扱いやすさも感じられるモデルです。 音色は、今の楽器と比べると明らかに軽いボディならではの軽やかさに加え、柔らかく木管的な響きもあり、非常に魅力的です。昨今のビンテージ市場では価格が高騰していますが、その中でも手の届きやすい範囲でありつつ、現行品とは違う味わいを体験できる一本だと思います。ビンテージに興味があるけど100万円以上するものばかりだしなあ…という方にとっては、まさに良い入り口になるのではないでしょうか。 ケースは購入時より、前のオーナー様が改造された古いヤマハのものに入っておりました。エンドキャップからの丈が足りなかったためか、側面を少し壊して広げるということをされております。 私自身はプロテック製のケースの「XL」に入れて使用しておりました。前述の「ローのトーンホールの向き」の関係上、収納可能なケースが限られますのでご注意ください。